暑い日が続いてますが、診療所には連日40名近い発熱、
かぜ症状の患者さんが受診されています。
沖縄では新型コロナウイルスを代表に、
風邪が全年齢層で拡大しており、
救急病院や診療所への受診が難しくなっています。
しかし、コロナや風邪の患者さんが多いからといっても、
過度に恐れて生活を萎縮させる必要はありません。
今のコロナ重症化率・死亡率はインフルエンザよりも低くなっており、
若い人はもちろん、元気な高齢者であれば、ほとんど重症化しません。
安心して、普段の生活を続け、飲食前や帰宅時の
手洗い・うがいなどを淡々とおこなっていきましょう。
ただし、流行がおさまるまでは重症化しやすい高齢者の方は人混みを避けたり、
大勢での会合を避けるなどの対応を考慮してください。
そして、これまでも繰り返し、お伝えしてきていますが、
一番大切なことは自分の「免疫力」を高める生活を採用することです。
最終的に頼るべきは自分自身の免疫力だということを忘れないようにしたいものです。
さて、今週もみなさんの健康に役に立つ情報をお伝えしていきたいと思います！
コロナ流行前から「夏風邪」といって、
暑い季節でも風邪の患者さんはいらっしゃいました。
夏の高温・多湿環境で広がりやすいウイルスが存在するからです。
それに加えて、沖縄は本土に比べて、世代間の交流が盛んで、
本土や外国から多くの観光客が往来します。
限られた土地で多くの人の交流があるため、
感染症が流行しやすい特徴があるのです。
ご存じかも知れませんが、風邪という病気は、
症状を抑える薬はあるのですが、
「風邪を直す薬」というのは存在しません。
そして、この風邪薬に頼りすぎると、
ウイルスに対する抵抗力が下がってしまう恐れがあります。
咳や鼻水を止めたり、熱を下げすぎたりするのが
これにあたりますので注意が必要です。
だからこそ「予防」そして「自己免疫力」が大切になるわけです。
まず、重要なのは食事による栄養バランスです。
ビタミン、ミネラルが豊富な新鮮な野菜や果物、
高タンパク質の食事を取ることで、
身体はウイルスへの抵抗力を保ちます。
そしてもう１つ、ウオーキングなどの適度な運動は心肺機能を強化して、
免疫力を高めてくれます。
ただし、暑い中での運動は、
脱水や熱中症にならないように水分と塩分の補給を忘れないようにしましょう。
そして最後にまた、十分な休憩をとること。
しっかり眠ることも不可欠です。
万が一風邪をひいてしまった時は、どうすればいいでしょうか？
最も重要なのは仕事や学校を休んで自宅でゆっくり休む事です。
38度を超える高熱があるときは、
解熱剤の使用を考えてもいいでしょう。
ただし、解熱剤も必ず使用しないといけないものではありません。
汗をかいたらこまめに着替えをしながら、
焦らず解熱するのを待ちましょう。
この時も水分をしっかり補給してください。
検査についても、必ずしも必要ではありません。
検査でコロナなど何らかのウイルス感染がわかったとしても、
基本的に治療はかわりません。
検査目的だけの医療機関受診は控えましょう。
どうしても検査を希望される時は、
薬局で販売されている検査キットを活用してください。
医療機関が混雑している今、もしもの時に備えて、
解熱鎮痛剤や検査キットを予め購入しておくことも検討してください。
しかし、あまりにも症状が強かったり、
4〜5日以上も症状が続く場合はかかりつけ医に相談してください。
☆それでは今日のまとめです☆
１ 夏風邪の予防は自身の日々の生活習慣によって守られます。
バランスの良い食事、適度な運動、適切な水分補給と休息は、
風邪予防における基本的なポイントです。
２ 風邪薬は症状緩和薬であり、風邪を治す薬ではなく、
必ず必要になるわけではありません。
３ きつい症状があったり、長引く場合は
必ずかかりつけ医療機関にご相談ください。
多鹿昌幸
